橋下知事の如才なさ
菅首相による浜岡原発停止の要請によって、原発を推進していた人々がきれいにあぶりだされました。案の定、産経新聞はヒステリックに反発していましたが、意外だったのは正力松太郎以来の原発推進派である読売新聞。社説ではなんと「やむを得ない」との認識で少し驚きました。
で、読売新聞と並んで私が意外に感じたのが、大阪府の橋下知事の反応でした。なんと菅首相の決断を「大英断」と評価。相変わらずこの人には風向きを読むのがうまいなあ、と感心しました。ポピュリズムであろうとアンシャン・レジームであろうと、自分の得になることはなんでも利用しちゃう。現状では、高い支持率を維持することがまだこの人の生命線なので、本当に賢い判断だと思います。
まあどんな理由があろうと、原発推進の流れが止まることは歓迎すべきだし、それに人気の高い橋下氏が乗っかってきたことは頼もしいことではあります。
ただ、案の定こんなニュースも入ってきました。
これがたまたまのタイミングなのか、あるいは浜岡停止に賛成したので、保守派の支持を取り戻すべくバランス感覚を発揮したのか。真相はわからないけど、なんだかうんざりしちゃうようなニュースです。
私は日本が大好きだけど、日本政府は必ずしも好きではありません。今の天皇陛下は大好きだけど、前の天皇はあんまり好きではないです。君が代とか日の丸もあんまり好きではない。歌舞伎や狂言は好きではないけど、相撲や落語は大好きです。
何が言いたいかというと、「愛国心」の中身は1人ひとり違うし、とてもとても複雑なものだということです。単に「国歌を立って歌うかどうか」などで判断できるような単純なものではないと思います。
もっと言うと、私は公立学校の教師が国家斉唱のときに起立しなくてもOK、という自由で多様性のある日本が大好きです。寛容性があって多面的な日本が大好き。そして、人を殺しておいて「USA!USA!」なんて叫んでいる国は嫌い。国歌や国旗に敬意を表すのは世界では当たり前のことらしいけど、そんな程度の低い話に日本が合わせる必要はないと思います。日本人はもっと賢いはずです。
てなわけで、やはり私は橋下知事は支持できないし、「大阪維新の会」に投票することは今後もないだろうなと思っています。だいたい「維新」とか「平成の竜馬」とか「サムライ」とか名乗る人たちは生理的に受け付けないんですよね…。
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