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2011年5月18日 (水)

田母神さんと放射能

航空自衛隊の元幕僚長である田母神俊雄氏のサイトを見て仰天しました。政府による飯館村への避難要請について「平成の強制連行」であると非難し、挙句の果てには「政府は福島県の人たちを追い出して、福島県の土地を中国人にでもくれてやるつもりでしょうか」なんて書いてある。

私も政府の対応は必ずしも良いとは思っていなくて、例えば放射線量に関するデータとそれが与える影響については、もっと包み隠さずに情報公開すべきだと思っています。そして、住民の自由を尊重するという観点からは、避難を要請するのではなく、情報をきちんと出した上であとは住民の意思に任せる、という選択肢もあったかもしれません。そして、避難要請するからには、住居や仕事も含めたきめ細かなケアが大切でしょう。

でも、田母神氏は政府の情報公開に対して批判するというよりも、放射能による健康被害という考え方自体を否定しているようです。というのも、どうやら田母神氏は、東京大学医学博士(東京大学に籍があるわけではなく、東京大学で医学博士号を取った、ということみたい)の稲恭宏氏の説を信じているらしい。

稲氏の説とは「低線量率の放射線はむしろ体にいい」というもので、同じようなことは中村仁信氏という病院長の方もテレビでお話していました。

ネットの世界では、稲氏は東電の御用学者だと見なされているようですが、私には彼が御用学者かどうかはよくわかりません。ただ、主張を聴く限り、稲氏は稲氏なりの信念でもって放射能の有用性を論じているように思います。それなりに説得力がないわけではないし、きっと彼にとっては正しいことなんでしょう。

でも、素人の私にも間違いなく言えることは、稲氏の説は現時点では異端であって主流ではありません。そして、実際のところは、稲氏の説も含めていろいろな研究や仮説が存在していて、何が真実なのかをはっきりと断言することはきっとできないはずです。

医学も含め、科学って実はそんなものなんだと思います。私は以前、循環器が専門の先生にお話を聞いたことがありますが、その先生は「血管の健康こそがひとの寿命を決める」とおっしゃっていました。その後、腎臓の権威の先生に話を聞くと「腎臓こそがひとの寿命を決める」とのこと。がんに対する治療についても、外科医と放射線医では見解が分かれることが多いですよね。きっとそれぞれが真実だし、それくらいの信念がなかったら研究なんかできないんだと思います。

で、福島のケースですが、私は小さい子どもや妊婦さんは、できれば遠くへ避難したほうがいいと思っています。稲氏の言うとおり、もしかしたら体に良いのかもしれないけど、良くないという説をとる人が実際に山ほどいるわけです。できることなら、万全を期しておくに越したことはないと思います。

だいたい、体にいいかもしれないのは医療機器によって管理された放射線でしょ。どんな物質がどんな量で出てくるかを正確に予測できない今回のような事故を、医療行為と混同するのはあまりにも乱暴です。

話が長くなりました。田母神氏は稲氏の説に簡単に飛びつき、あげくの果てに浜岡原発の停止要請すら「これは反原発、反核運動だ。日本の弱体化だ」なんて的外れなことを述べています。嫌な言い方はしたくないけど、全くもって無責任で賢くないと思います。田母神氏は国民1人ひとりの安全よりも、何か他のことを重視しているのではないでしょうか。

今回の原発に関する言動だけで人格まで疑いたくはないけど、でもついつい考えてしまいます。こういう人の発言を信じて「日本も核武装すべきだ」とか言ってた人たちは、今も田母神氏を支持しているのでしょうか。もしかしたらこの程度の無責任さで、核武装などについても論じていたのではないでしょうか。

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