内閣不信任案の否決後も、政局のニュースが毎日報道されています。ポスト菅には誰がいいかとか、退陣の時期がいつになるかとか…。
すごく根本的な話になるのですが、私は頭が良くないので、そもそもなんで菅首相が辞めないといけないのかがよくわかりません。いろんな人がいろんなことを言っていて、何が本当の話やらさっぱりわからない。よくわからない理由で政治が動いていくのは、なんだか納得できないし、すっきりしないものですね。
菅首相の何がいけないのか。最も手っ取り早く理解するためには、やはり最大野党の党首がどのように批判しているのかを調べるのがよいはず。そこで、不信任案を提出した自民党の谷垣総裁のブログを読んでみました。以下は6月9日の「谷垣日記」からの引用です。
要約すると、第一にあらゆる重要課題を先送りしている。二番目に被災地復旧あるいは原発対応の異常な遅れ。三番目に二次補正編成の先送り、経済対策の欠如。四番目に国の内外から総理に対する信頼感の欠如、不信が噴出している。特に与党の中で信頼感を損なっていて、早く辞めろという声が与党の中で起きている。
うーん。あらゆる重要課題とか、経済対策の欠如とか。なんだか難しいけど、世論調査で「首相は辞めるべきだ」とか言ってる人は、ほんとにみんな内容を理解してるのかな。なんとなくメディアの報道に踊らされて「菅はだめだ」というイメージが植えつけられているだけではないのだろうか。
だいたい、各種の法案にしても予算にしても、別に首相がつくるわけじゃなくて、基本的には官僚がつくって出してくるわけでしょ。復興基本法は議員立法だったけど、個別法はほとんど内閣提出法案のはず。首相に求められることは、大きな方向性を打ち出せるかという点や、官僚が出してくる案を正しくジャッジできるかという点にあると思います。それらが著しく遅いということであれば、谷垣氏の批判は的を得ているわけですが、早いのか遅いのかは実のところあほな私にはよくわからない。
何度も書きますが、わからないことで人を批判したくもないし、わからないことで物事が決まっていくのはどうもすっきりしないです。もちろん、私があほだから悪いんですが…。それとも、私は菅内閣のプロパガンダに洗脳されていて、冷静な判断ができなくなっているのだろうか。
何か、私でもわかるようなすっきりした理由はないのかなあ。探してみると、少し古い記事ですが、産経新聞に阪神大震災のときの村山内閣との比較が載っていました。
発生2カ月 菅内閣VS村山内閣…対応遅れ、首相のパフォーマンス
うーん、確かに法案提出数は少ないけど、今回の震災と原発事故って、阪神大震災とは比較にならんような未曾有の災害なわけだし、村山内閣のときはねじれ国会ではなかったわけですよね。単純に比較するのはどうなんだろうと思うし、大切なのはスピードとともに中身でもあると思ってしまいます。
てか、菅首相に対する悪意に満ち満ちた産経新聞でさえ、この程度の批判しかできないのか、というのが私の正直な感想なんですが…。
要は「菅首相以外の人が首相だったら、状況は大きく変わっていたのか」ということがわからないと、判断がつかないんですよね。例えば前原首相や谷垣首相だったら今頃は原発も収束して仮設住宅も全部完成していたのだろうか。これから別の人が首相になったら、本当に被災者が助かったり、原発事故がすぐに収束したりするのだろうか。
原発事故のメルトダウン等に関する情報は、確かに隠蔽された上で、後から小出しにされています。結果として信用を失ったり、不必要な被曝をする人が現れたりした事実はあると思うし、私もそれは本当にひどい話だと思います。
でも、それは首相よりもむしろ東電や保安院が原因なように思えるし、ではあの大災害のわずか5日後くらいに「メルトダウンしていますよ!」「みんな被曝しますよ!」「農作物も魚も全部汚染されますよ!」と政府が発表すべきだったのかどうか。これは私には判断がつかないです。誰も経験したことのない状況で、どうするのが正しかったのかなんてわからない。私は菅内閣のしたことは支持しないけど、だからといってこの点において「辞めろ」と言い切ることもできません。
谷垣氏の言う「特に与党の中で信頼感を損なっていて、早く辞めろという声が与党の中で起きている。」という点も、どうなんだろう。これって、単なる権力闘争ではないの?単に党内がまとまればいいんだったら、強大なパワーを持った人が首相になれば一番いいんだろうし、その人だったら何をやってもOKということになります。菅首相にはパワーや人望が欠けているみたいですが、大切なのはパワーじゃなくて中身だと思うんですが…。
話があちこちに飛んでしまいましたが、私は結局のところ、被災者ではないので被災地の実情はわからないし、被災者の気持ちもきっと正確にはわかりません。それに、被災者といってもいろいろな人がいて、きっと利害が衝突することもたくさんあるはず。被災地には菅首相を批判する人がたくさんいるんだと思うけど、復興支援の良し悪しについては私はわからないし、意見を言う資格もないと思います。
となると、私が菅首相を支持するか、辞めるべきと考えるかどうかは、私自身が関心を持つテーマについての首相の姿勢で判断することになります。
長くなりましたので、続きは次回に。
