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2011年7月22日 (金)

《映画評》 コクリコ坂から ★★★★☆

私が大学生の頃には学友会というものがあって、「入試期間中に構内を閉鎖するのはけしからん」とかいって、大学側に抗議をしたりしていました。私は当時、そうした活動とは全く無縁な文化系サークルに所属していたのですが、1つ上の先輩方は学友会による抗議行動に動員されてしぶしぶ参加したりしていました。

大学3回生くらいまではゲバ文字の立て看は構内の至るところにあったし、講義の前に突然老けた容姿の学生が教室に入ってきてアジ演説を始めたりもしていたのですが、そのような光景はだんだんと見られなくなりました。卒業して数年後に母校を訪ねたときには、もうゲバ文字の立て看はほとんどなくなっていて、構内の空気は様変わりしていました。

きっと、私はそういう時代の残り香にかろうじて触れた最後の世代なんだと思います。

サークルの部室が入っていた建物はまさにカオスで、深夜に訳のわからない能楽の声が聞こえてきたり、「この人はここに住んでいるのではないか」と思われるひげ面の学生がやかんの湯を沸かしていたりしました。卒業後に訪ねたときには、その建物はあっけなく取り壊されていて、冷暖房完備のきれいな校舎に代わっていたのですが…。

スタジオジブリの話題作「コクリコ坂から」を観て、私は自分の大学生時代を思い出してしまいました。映画の舞台は大学ではなく高校だし、実際のところ私は登場人物のようにキラキラした学生生活を過ごしたわけではないんですが…。

以下、ネタばれも若干含みますので未見の方は注意してください。

私は近年のスタジオジブリの映画はあまり得意ではなくて、「ポニョ」とか「ハウル」とか「アリエッティ」とか「ゲド戦記」なんかは中の世界に入って行けなかったのですが、あまり期待しないで観た「コクリコ坂から」はよかったです。やっぱり私はファンタジーは苦手なんだな、と再認識しました…。

時代設定は1963年なので、60年安保の数年後。映画の中では高校生たちがアジ演説をしたり激しい討論をしたりしますが、そのテーマは基本的には「建物の取り壊しの賛否」のみであり、政治の話題に触れることはありません。また、討論会で激しくやりあっていても、先生が入ってきたら歌を歌ってごまかします。挙句の果てには、ブルジョアの権化である理事長の力を借りて要望を通そうとします。

要するに、とことんdecentな世界だと思いました。英語なんかで表現したくはなかったんですが、ぴったりくる言葉が見つからなかったのでdecent。無理やり日本語で言うと「まっとうな」「礼儀正しい」「上品な」「身分相応の」といった感じでしょうか。とことんdecentな世界はもちろん激しく物足りないわけですが、結果として大人から子どもまで安心して観られる作品に仕上がっていると思います。近年のジブリ作品のような目立った破綻もありませんでした。

恋愛ストーリー的にも、女性は胸きゅんになる人が多いのではないかと思います。もちろん、登場人物が好みのタイプであれば、という条件つきではありますが…。

そして、男性の私は2時間足らずの上映時間内に恋に落ちて失恋いたしました。「こうあってくれたら…でも映画的にはきっとああなるわな。でも、なってほしくない…。あ、やっぱりそうなったか。くやしい~」という心情の流れを経験した結果、喪失感を持って映画館を出る羽目となりました。ちょっと褒め過ぎかもしれないけど…。

ただ、地味な題材の映画なので大ヒットはしないかもしれないですね。「アリエッティ」よりよっぽどいいのになあ。

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