《映画評》 シャンハイ ★★★☆☆
2010年の作品なのに、なかなか日本で公開されなかった「シャンハイ」。私のお目当てはもちろん、周潤發(チョウ・ユンファ)でした。ジョン・キューザックとか渡辺謙とか菊池凛子も出てるけど、とにかく周潤發です。
ハリウッド進出して以来、坊主とかハゲとか武藤敬司とか(似てるだけか)本当にろくな役を演じていない周潤發が、今作では髪の毛があるのはもちろん、久しぶりに銃を手に取るらしい。それだけでも観る価値がある、ということで観てきました。
以下、ネタばれも若干含みますので未見の方は注意してください。
前半はとにかくストーリーの進み方が速くて驚きました。正直、ついていくので精一杯。私はもともと知能が低くて、ややこしい筋の映画は全然理解できないのですが、「もう無理、訳わからん」と匙を投げる一歩手前でした。周潤發観たさに何とかついていきましたが…。
なので、事前にある程度の背景知識を仕入れてから観るほうが理解しやすいのではないかと思います。具体的には当時の上海の状況や簡単な人間関係などですね。
ちなみに、過去に私がついていけなかった映画には「JSA」「ダ・ヴィンチ・コード」「ナイロビの蜂」などがあります。その程度の映画ならついていける、という方なら予習なしでも大丈夫かもしれません。
ともかく、ストーリーについていくことで精一杯だったので、話の先読みや感情移入などがあまりできませんでした。これって私があほだからかなあ。
で、肝心の周潤發ですが、久しぶりにまともな役でした!しかも考えようによっては一番おいしい役。一番かっこいい役にもなり得るし、観ている人を泣かせることもできる役なんだけど、他のビッグネームとのバランスのためか、結構控えめな見せ場で終わってしまいました。
正直、渡辺謙は要らなかったなあ、と思いました。渡辺謙にも見せ場をつくった結果、話がちょっと散漫になって群集劇になってしまったような。「男と女はこういうもの」「当時はそういう街だった」なんていう大きなテーマにせず、ジョン・キューザックとコン・リーと周潤發の行動だけに絞ったらよかったのに、というのが周潤發ファンである私の感想です。
ストーリー的にはきっと「カサブランカ」に重ねる人が多いと思いますが、それにしてはボギーの扱いが地味だろう、と。周潤發初期の名作「風の輝く朝に」みたいな映画をまたつくってくれないかなあ…。
あと、私はコン・リーってあまり好きではなかったんですが、今作ではすごくきれいで説得力がありました。もう45歳くらいのはずなのに。年を重ねるにつれてきれいになることってあるんですね。
蛇足ですが、本作には南京事件に関する台詞がいくつか出てきます。もしかしたら公開が遅れた理由はそれだったのかも、なんて嫌なことも考えてしまいました。
周潤發のファンとしては必ずしも大満足の作品ではありませんでしたが、銃を持った姿をスクリーンで観られただけでも意味がありました。次回はコメディにでも出てくれないかなあ…。
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