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2011年8月10日 (水)

《映画評》 裸の島 ★★★★☆

最近観た映画ではないのですが、今さら「裸の島」について。この記事を読んで思い出したのでちょっと書いてみます。

99歳・新藤兼人監督、人生最後の舞台挨拶「ときどき思い出して」

「裸の島」が新藤監督の代表作かどうかは意見が分かれると思いますが、私はかなり好きな映画です。「低予算で撮られたインディペンデント映画のさきがけ」「セリフなしの実験映画」などの説明はできるんだろうけど、私は単純に内容が気に入りました。

以下、ネタばれも含みますので未見の方は注意してください。

登場人物は、小さな島で暮らす夫婦。場所は瀬戸内海であると思われるのですが、前半はとにかく、水を汲んで運ぶシーンが延々と続きます。島には水道はおろか井戸もないので、毎日船を漕いで水を汲みに行かなければいけないわけです。1日のほとんどが水を汲む作業のみに費やされる。

まあ、ひとことで言えば「なんでそんなとこに住むの?」という感想ではあるのですが・・・。それは今の時代だから言える感想なんでしょうね。で、前半はひたすら退屈で、私も眠たくなりました。

でも、後半になると前半の伏線が生きて、本当に美しい映画となります。そして私も感涙。セリフは歌と感嘆詞しかないし、同じ音楽が何度も何度も繰り返されるんですが、同じ音楽なのに毎回異なる感情がわきおこってくる。悲しく感じたり力強く感じたり。これはとてつもない映画だと思いました。

妻役の乙羽信子は1回しか笑わないんだけど、その1回の笑顔を観ただけで私も本当に救われました。この人の人生にも笑顔があるんだって。映画だとわかっているですけどね。つくり話だとわかってるのに。

設定された時代背景は正確にはわからないのですが、モーターボートもテレビも出てきます。なのに、主人公たちは手漕ぎの船で、原始時代のような暮らしをしている。それは今も昔も変わらない、都会と地方の現実なのでしょうか。

基本的には退屈で地味な映画なので万人にはお薦めできませんが、私は好きなので書いてみました。機会があればぜひ。

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