高校生の自殺者数
警察庁自殺統計原票によると、平成23年に自殺した高校生の数は、全国で269人です。
大阪府に限定すると、高校生を含む学生・生徒等の自殺者は68人。当たり前の話ですが、68人はそれぞれ学校に通っていたわけなので、自殺者を出した学校数は1年間でのべ68校ということになります。
自殺の原因はきっと1人ひとり違うと思います。経済的な問題かもしれないし、いじめがあったのかもしれないし、病気に絶望したのかもしれないし、単に生きるのが面倒になったのかもしれない。もしかしたら教師による体罰や暴言などがあったのかもしれませんね。
さて、桜宮高校の体罰問題。私は当事者ではないので、橋下さんの方針が正しいのか間違っているのか、それはよくわかりません。ただ、どうしても考えてしまうのは、多くの人に注目される自殺がある一方で、ほとんど注目されずに死んでいった例がたくさんあるということ。
繰り返しますが、平成23年だけで全国で269人の高校生が自殺。すごく残念なことですが、高校生の自殺なんてちっとも珍しくないんですよ。単純計算で1.5日に1人がどこかで自殺しとるわけで。たまたま今回のケースが、ある種の人々にとって利用価値があったということですよね。
なんだか話題が柔道界の体罰問題に飛び火したり、体罰ばかりが注目されています。個人的には、体罰をなくすことだけではなく、自殺者を減らすことに関心を持つべきでないかと思います。体罰をなくすのは、自殺者を減らすための1つの手段ではあるけれど、それだけでは自殺者が劇的に減ることはないと思う。
また、今回の体罰問題の結果としてどのような世論が形成され、どのような法整備が行われるのか。それを慎重に見極める視点が必要だと思います。