アンチクマ派
以前、サケの生態を追ったドキュメンタリーを観たことがあります。川で生まれたサケは、数々の苦難を潜り抜けて海に出て大人になり、その後交尾と産卵のために生まれた川に帰って来ます。
でも、川の流れに逆らって上流までのぼるのは本当にたいへんで、特に滝があったりする場合には、何度も何度も全身でジャンプしてのぼります。もちろん、全員が上流まで無事でたどり着けるはずもなく、数々の仲間が挫折したり敵に食べられたりする中で、ようやくごく一部のサケのみが上流までたどり着きます。
で、ようやく産卵というときに、やつが現れる・・・。そう、クマですわ。あいつは上流にたどりついたサケをかたっぱしから食べていきます。あ、あと少しで産卵だったのに・・・。やっとたどり着いたのに・・・。
いや、私もね。食物連鎖は理解してるし、クマも生きていかなければならないことは理解しています。何も全く食べるなと言ってるわけではない。
ただ・・・そのドキュメンタリーでは、食べ方がひどかったんです。サケのおなかを食いちぎって、イクラだけをむしゃむしゃと汚く食べたあと、身は投げ捨てます。そこで「クマはイクラが大好物です」とナレーションが入る。
いやいやいやいや!食べるんならきれいに食べんかい、と。あいつは卵の部分だけをむさぼり食って、残りは捨てるんですよ。絶対に友達になりたくないタイプだし、忌まわしい生き物だと思う。それ以来、クマをみてもかわいいなんて思わないし、むしろ苦々しい思いで見るようになりました。
で、本題なのですが・・・。世の中にはいろいろな動物のキャラクターが存在していますが、やたらとクマが多いのに気づいていましたか? 猫や犬はぺットとして身近な存在なので、数多くのキャラが生まれているのは理解できるのですが、特に身近な存在でもないクマのキャラクターがやたらと多いのです。
思いつくままに挙げるだけで、ざっとこんな感じ。
テディベア
ジャッキー(くまのがっこう)
プーさん
りらっくま
くまもん
ブラウン(LINEのくま)
他にもクマキャラクターは山ほどありますが、とりあえずこの6つはみんなが知っているのではないかと思います。
特筆すべきは、伝統的かつ王道のキャラクターから、近年新しく生まれたキャラクターまで、どれも第一線で活躍しているという点。普通はこれだけ同じ動物のキャラがかぶってたら、ある程度淘汰されそうな気もするのですが・・・。
これだけ活躍しているということは、大人から子どもまで、多くの人がクマをかわいいと感じているということなんだと思います。
でも、少し冷静になって考えてみてほしい。テディもプーさんもジャッキーも、苦労に苦労を重ねたサケの卵だけを汚くむさぼり食って、体を投げ捨てるようなやつなんですよ?それでもかわいいと思うのか?
加えて、最近のこのニュース・・・。
えっと・・・りらっくまもくまモンも、思いっきり人を襲っとるやないか。それでもかわいいか?やつらは食べ方は汚いわ、サケの人生を台無しにするわ、ましてや人まで襲うんですよ? テディもジャッキーもプーもミスターベアーズドリームもダッフィーも熊川哲也もくまだまさしも大嫌いだ。あ、でも熊田曜子はちょっと好きだ。
かわいいかわいいと持てはやすのもいいですが、クマの暗黒部分にもちょっとは注目すべきではないか、と思います。とりあえず、くまのがっこうでは、サケへの感謝の気持ちを持つことをしっかりと教えていただきたい。
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