エコナビ搭載トワレってエコ?
テレビを見ていて思わず呆然としてしまったのが、パナソニックのエコナビのCM。「ビューティートワレ」という温水洗浄便座に、「エコナビ」なる機能がついていることをアピールしています。
せりふを全文書き出してみます。
吉瀬美智子さん「毎日節電がんばってますね。明かりをこまめに消したり、うん、ちゃんとできたね。でも、トイレでできる節電は、他にもありますよ。」
男性の声「エコナビ搭載トワレは、人の出入りを感知して、使わないときの電気の無駄を自分で省きます。」
吉瀬美智子さん「みんなの節電にエコナビがついてるよ。」
どうやら、この「エコナビ搭載トワレ」の売りの1つは、トイレを使ったあとに、便座を温める機能が自動的に切れることらしい。うん、確かにトイレを使っていない間には便座を温める必要はないですよね。センサーで自動的に切れるなんてすごい!節電にもなるし、環境にやさしい!エコだ!すばらしい!
・・・とでも思えというのでしょうか?もしCMの作り手がそう考えてるんだとしたら、正直、頭がおかしいのではないかと思います。
節電したいんやったら、温める機能なんて使わずに便座カバーを使うべきではないのか?U字型・O字型それぞれにかぶせられるカバーはたくさんあるし、温水洗浄便座用のカバーも売られています。便座に貼り付けるタイプだったら100均でも買えますよ。もしかして、天下のパナソニック様は便座カバーをご存じない?
確かに、寒い季節には温かい便座が気持ちいいことは理解できますが、絶対に必要不可欠なものではないと思います。本当に節電したいんだったらスイッチを切って便座カバーをつけるべきだと思うし、こんな中途半端な機能で「エコ」を堂々とアピールされても困惑してしまいます。厚顔無恥というかなんというか・・・。
念のために書いておくと、センサーで自動的に切れる機能自体はよいものだと私は思っています。ただ、それを「エコ」と大々的にアピールする姿勢が、なんだかあほらしくて厚かましくて恥ずかしい、と言いたいわけです。
そもそも、このCMがおかしいのは、エコナビ機能の部分だけじゃないと思う。CMでは「明かりをこまめに消す」例として、子どもがトイレの明かりを消していますが、これってどうなんだろう。
トイレって、通常は誰も人がいないところですよね。普段は明かりが点いていなくて暗いので、使うときだけ明かりを点ける。私はそういう理解をしていました。つまり、「こまめに」とかそういう問題ではなく、点けたり消したりするのが当たり前の場所だと。
でも、このCMの表現だと、「トイレの明かりは絶えず点いているものだけれど、使わないときにはきちんとこまめに消しましょう」と主張しているように受け取れます。実際、この女の子は背伸びしないとスイッチに手が届かないわけですよね。トイレに入るときも同じように苦労して明かりを点けたんだろうか。
「こまめに消す」は、人がいない部屋の明かりを消す、という意味合いで使うべき表現だと思います。トイレの場合はちょっと違うんじゃないかなあ。普通に「使うときには明かりを点けて、終わったら消しましょう」でいいと思うんですが・・・。
私は結構古いマンションに住んでいるし、最新の住宅設備などには詳しくありません。もしかして、最近の住宅は常にトイレが明るいんですか?だから「こまめに消しましょう」なんていう表現が出てくる?そうだとしたら、ちょっとびっくりです。
パナソニックは、この機能をアピールすべく、膨大な宣伝費をかけてCMを流しているわけですよね。この温水洗浄便座が普及すれば、さぞかし節電に繋がって環境保護に貢献できるんでしょう。私は今は便座カバーしか使っていないけれど、この温水洗浄便座を購入して節電に協力しようかな。