阪神駅弁大会2015の攻略法
大阪・梅田の阪神百貨店で開催中の全国有名駅弁とうまいもんまつりに行ってきました。1月27日まで開催されているのでまだ少し時間がありますね。今年も攻略法を書いてみたいと思います。
※催事の基本的な商品区分(駅弁とうまいもん、輸送と実演)などについては過去に書いていますのでこちらをご参照ください。
まず今回の目玉ですが、ラインナップを見る限り、基本的にはリアス亭(岩手県・久慈駅)のうに弁当で間違いないと思います。
もともと駅弁ファンの間では幻の駅弁として知られていたうに弁当ですが、「あまちゃん」に調製元がモデルとなって登場したことで、全国的に広く知られるようになりました。1日限定20食で販売は現地のみという稀少性、そしてうにの満載感と価格のリーズナブルさでまさに「幻」だったうに弁当。それが実演で食べられるのですから、やはり目玉と考えてよいと思います。
輸送ではなく実演ですので、午前のうちに売り切れてしまって入手が難しい、ということもなく、おそらく夕方までに行けば確実に入手できるはず。実は私もまだ食べたことがなかったので、今回初めて食べられてラッキーでした。
もちろん、現地版とは作り手・原材料は必ずしも同じではないと推測されますが、それでもなお、やはりこの機会に食べておきたい駅弁です。女将ご本人も会場で調製されているので、レシピに関しては現地版とおそらく大きな違いはないものと思われます。
そんなわけで、今回の目玉はうに弁当で決まり!と言いたいところなのですが、個人的には一番のおすすめは別にあります。それが、花善(秋田県・大館駅)の鶏樽めし。
こちらは昭和45年から51年頃にかけて販売されていた駅弁を、約40年ぶりに復活させたといういわゆる「復刻駅弁」です。
過去のレシピや掛紙などを元に復刻する、という復刻駅弁自体は最近ときどき見られるのですが、「単にそれっぽく再現した」というレベルではなく、とにかく徹底的なプロジェクトだったことがお品書きからは伺えます。
勤続47年の従業員さんが味付けを思い出しながら、納得いくまで作り直したというホタテの甘露煮。当時使用していた「いそあげ」という蒲鉾(取引先の蒲鉾屋さんでは既に廃盤商品になっていたそう)は、今回の復刻企画のために再び蒲鉾屋さんにつくってもらったそう。
特筆すべきは、おてふきや箸、容器までも当時のデザイン・原材料を復刻しているとのこと。お箸は現在使用している秋田県産の杉箸ではなく、当時使用していた樺材を採用。掛紙もデザインを単に再現しただけではなく、当時使用されていたクラフト紙に印刷するというこだわりぶりです。
容器の樽に至っては、社内に蓋が残っていなかったので、わざわざ新聞広告を出して蓋の持ち主を探した結果、復刻が可能になったとのこと。ここまで徹底した復刻駅弁には今までも、おそらくはこれからも出会えないのではないかと思います。
もちろん、鶏めし界の東の横綱だけあってものすごくおいしいです。鶏めしよりも甘さが控えめなので、味付け的にはより広く好かれるものに仕上がっていると思います。しかも、ボリュームもしっかりあって、満足度は高いです。今回は実演で来ているので、朝から並ばなくても入手は可能。個人的には今年の目玉はこれに決まり!という駅弁でした。
ただ、本当に不思議なんですが、花善はあんまり並んでないです…。鶏めしで来たときもそれほど行列はできてなかったし、やはり駅弁大会に来る人は派手な海鮮系や牛肉系に目が行くのかな、と少し釈然としない気持ちになってしまいます。
まあでも、並ばずに買えるのは消費者にとってはありがたいことです。今回の復刻は3月31日までの期間限定販売とのこと。あと2か月ちょっとしか食べられないし、食べるなら今のうちですよー。